【ユースなう!Vol.5】歌舞伎はフェスと一緒!?今の歌舞伎ってどんなもの?
2015.08.03
実は若者こそ歌舞伎がスキになる!?
歌舞伎というと、年配のお金のある人たちが見るものというイメージ。だから、若い人が歌舞伎を見ないのは当然か……と思いきや!!世にも珍しい歌舞伎女子に話を聞いてみると、意外にも親しみやすさ、若い人こそスキになるポイントがあるみたい。

今回話を聞いたのは、美大に通いファッションを専攻する、イマドキのことにもアンテナ高めの櫻井花ノ子さん(20)と、最近は映画鑑賞しすぎて超夜更かししているという大学1年生の横井歩美さん(18)の、名古屋出身のお二方。彼女たちの歌舞伎遍歴を聞いてみました!
家族キッカケの役者はじまり
──歌舞伎に出会ったキッカケは?
櫻井(以下S):小学生の時、ママのツテで歌舞伎役者の市川右近さんのイベントに連れて行かれたのがキッカケ。それからママについていって公演も見るようになったかな。当時は内容の理解よりも、右近さん目当て(笑)。本当いい人で、単純に右近さんに会いたくて。あと、名古屋のファンの間では有名な歌舞伎役者さんたちが集まるバーがあって、それも役者さんに会いたくて行ってる。
横井(以下Y):名古屋出身だけど、そのバー知らなかった(笑)私も、最初は小学生のとき家族について行っただけかな。そこから特別ファンになったわけでなくて、高2のとき、俳優として香川照之さんが好きだったから、『猿之助・中車襲名公演』を興味本位で見に行ったの。それで、うわあああ、めっちゃかっこいいじゃん!ってなって、ハマった。
S:あ~、その公演ね!行ったわ~。

(写真は左から横井さん、櫻井さん)
早着替えは秒!!歌舞伎とは“美の塊”
──二人は役者さんがはじまりとのことだけど、歌舞伎自体はどこがスキ?
S:昔からの技術がずっとそのままなわけじゃん。昔も同じようなことやってたって思うと、すごい浪漫がある。観客をどう喜ばせよう、どう惹き付けようって深く考えられてるのがスキ。早着替えとか。
Y:そう!早着替えとかめっちゃうぉーーってなる。本当にすごい。
S:うん、すごいよ。だって秒だよ、秒!まじで秒!パッと出てポーって来てペッて消えてったのに、髪とか衣装も全部変えて別の方から出てくるの。そしたら観客みんな「えーー!」みたいな(笑)
Y:私は、他の西洋の劇には持たせられない日本特有の雰囲気があるのも好き。衣装や音楽を含めて、その空間がいい。
S:そう、歌舞伎って美の塊。全員男ってのも美しいんだよね~。宝塚でも男役あるけど、それは偶像って意味でほぼアイドルで、女の子の夢を実現させる存在って感じ。だけど、歌舞伎の女形はアイドルってわけではないから、その繊細さやディテールにこだわった部分にひたすらゾクゾクするんだよね~。
Y:うん。今まで積み上げられてきたものが、一個一個のポーズとかに出るのは感動する。
ある意味フェスと一緒!
──若者の歌舞伎離れと言われるけど、歌舞伎って若いと楽しめないのかな?
Y:同世代の子は、キッカケがないだけだと思う。先入観!?学校で見る機会があっても、イヤホンガイドとかあれば分かるのに、何も説明なしで古典の歌舞伎にポンって行かせられて、つまんないなーってなってそこで終わる人が多い。
S:先入観ね~。私は、好きなもの聞かれたら、歌舞伎好きなんすよって話のネタとして答えたりする。意外性あるじゃん、この見た目だし(笑)やっぱりまずは、みんなお堅いイメージ持ってるだろうけど、堅くないんだよ!って伝えたいよね。
Y:本当にみんな、チケットの値段とか高いと思ってるよね。
S:そうそう。だから、歌舞伎ちょっと気になるって子たちには、歌舞伎座行って一幕並んで見れば?2500円で見れるよ、って勧めたりする。
Y:想像より気楽だよね。私は雰囲気が好きで行くっていうのもあるなー。そういう意味では、フェスとかと一緒かも!だから、本当同世代で歌舞伎見ないのは先入観がでかすぎるだけで、それさえなければハマる可能性は十分あると思う。
抱いていたイメージがガラッと変わりましたね。フェスと歌舞伎に行く感覚が一緒だったなんて!秒の早着替えも見てみたいし、堅くも高くもないんですね。最近では若者を惹きつける為に伝統を守りつつ新しいタイプの歌舞伎もあって、10月には超有名アニメ『ワンピース』が歌舞伎として上演されるとのこと。(http://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/2015/10/ii_1.html)
今後は、今若者がこぞって足を運んでるフェスやイベントと並び、歌舞伎も若者の場になる時代が来るのかも!?