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進退に悩んだときの合言葉は、「辞めるは、進む!」【ユースなう!Vol.61】

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学期末、新年度にむけて、いろんなことが進んでいく中、進退ってめちゃめちゃ悩むよね。特に、辞めようかなって考えてる人は、より一層。退部とか退会ってネガティブな印象だし、逃げとか、脱落って思われそうだし。けどね、案外辞めるのも悪くないかもなって、思うのです。「辞めるは、進む」。実際に、何かを辞めることを選んだ人に、話を聞けば、そんな合言葉が浮かんできました。

今回取材させてもらったのは、女子大生の高橋侑子さん(21歳)。ダンスサークルを辞めて、お芝居をやり始めたという、「辞めるは、進む」の経験者。学生のうちにダンスもやって、お芝居もやって、充実じゃん! と思う彼女の人生だけど、「サークルを辞めた虚無感」が、お芝居の道へのスタートだったらしい。

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(大学サークルでダンスをしていた頃の高橋さん/写真左)

好きだけど、ついていけない申し訳なさ

昔から音楽が好きで、踊るのが好きだった彼女。高校時代は部活、大学ではサークルで続けていたダンスだけど、大学1年の終わり、周りの人についていけなくて、悩んでたんだとか。

「サークルやダンス自体は、今でもすごく好きなんですけど、周りの人の、高いスキルやメンタルに、ついていけなくて。だんだんと、そんな私がここでやってくのは迷惑をかけてしまうし、申し訳ないなって思い始めたんですよね。そんなことを、年度が変わるころにずっと悩んでて。最終的に、やっぱりこのまま続けても楽しくないし、ダンスが好きじゃなくなっちゃうと思って、そのときは辞めたあとのプランも特になく、サークルを辞めました。けど、辞めたら辞めたで、やっぱり、続けられている他のサークルの仲間が羨ましくって。反対に、自分には何もないなと思って…。最初は、虚無感でいっぱいでした」。

そう素直に打ち明けてくれた高橋さんの言葉からは、ダンス愛の裏返しで、好きなことと出来ることのジレンマがあったことが、じんわりと伝わってきます。

虚無感から始まった、お芝居という新しい道

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(去年11月、「アンティークスVintage21」に、看護婦役として出演された高橋さん)

「けど、その虚無感があったからこそ、お芝居を始めたんです。辞めてすぐは、大学2年になって学科も分かれて、友達もいなくて、焦りでいっぱいで…。たくさん引け目を感じていた、大学2年生の幕開けでした(笑)。なので、なんかしなきゃと思って、もともと見る側として好きだったお芝居をやってみようと、ネットで応募していたオーディションを受けてみたんです。そしたら運良く、小劇場の公演で、少しの出番ですが、役をいただけることになって。そこから、お芝居のオーディションを受ける、新しい生活が始まりました! もう本当に、役者さんたちがいい人で、出来ないこともたくさんあるけれど、お稽古がものすごく楽しいです」。

ダンスを辞めたあと、お芝居の道へ進んだのは、意外にも、虚無感を埋めるためだったという彼女。今はオーディションを受けては、決まった舞台に食らいつく、といったアクティブな生活を送っているのだそう。最近では「HYBRID PROJECT アトリエ公演 5th Satelite RANPO chronicle 【憂鬱回廊】」という舞台にも挑戦し、5月には「うわの空・藤志郎一座 第47回本公演」、6月には「劇譚*華羽織 第4回本公演 十六夜の契り」と、別の公演を2つ控えるほど、のめり込んでいるんだとか。

そんな彼女に、ダンスを辞めた虚無感から始めたお芝居を、どうしてそこまで頑張れるのか聞いてみたところ、こんな答えを返してくれました。

辞めなきゃ出会えない人がいる

「それまでの環境から、外部へ行くことって、『逃げ』みたいに見えるし、私自身ダンスを辞めたのも、ぶっちゃけ『逃げ』でした。けど、実際辞めても、サークルの人は優しく受け入れてくれるし、今は逆に、辞めなきゃ出会えなかった人がいて、頑張れてます。だから、運良く私と出会ってくれた人に失礼のないようにも、今の自分を肯定したいなと思って。辞めて良かったって言えるように、頑張りたいんです!」。

新学期をひかえた3月は、人知れず、たくさんのことを考える。やり残したこと、新しく挑戦したいこと、このままじゃダメだって、不安に思うこと。そんな時、どうしようかと、いろんな選択肢が浮かぶけど、「辞めなきゃ出会えなかった人がいる」という高橋さんの言葉を聞くと、何かを「辞める」って選択肢も、前向きなものに思える。辞めるための一歩は、新しいところへ進むための一歩! なハズ!