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レトロ銭湯でタイムスリップ!―ごほうび銭湯 その3―【ユースなう!Vol.73】

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ごほうび銭湯その1はこちら!
ごほうび銭湯その2はこちら!

暑い日が続くこんな毎日にぴったりなのは……ずばり銭湯。
暑い夏、熱いお湯に浸かって汗かいて、コーヒー牛乳を飲んでおうちに帰ると、なんだかすごく充実した日を過ごせた気分になれちゃう。

東京都なら、入湯料は460円(東京都浴場組合加盟の銭湯)。大阪府なら、入湯料はさらにお安い440円!
みんなとワイワイ行くもよし、ひとりでのんびり行くもよし。頑張った自分に、「ごほうび銭湯」しちゃおう!

銭湯でタイムスリップ?!

その1その2と「ごほうび銭湯」を満喫し、すっかり銭湯通を気取るライターW。
しかし、週3ペースで銭湯に通う銭湯フリーク、銭湯OL・やすこさんはまたしても違う「ごほうび銭湯」を提案してくれました。

やすこさん「暖簾をくぐるだけでタイムスリップした気分になれるレトロ銭湯、知ってますか???」。

銭湯でタイムスリップ?どんな銭湯なのか全然イメージがわかない。銭湯JDを名乗るうえで、レトロ銭湯は抑えておくべきでは…?
というわけで、やすこさん、連れてってください!

…こうしてやすこさんのナビゲートでやってきたのは、JR常磐線・三河島駅から7分ほど歩いた所にある、「帝国湯」。

いったいどんな「ごほうび銭湯」が待っているんだろう…。さっそく、帝国湯の内部へ潜入です。
(※今回も特別に許可をいただき、浴室の中を撮影させてもらいました。ありがとうございます!)

のれんの先は、昭和の世界でした

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(上/のれんの文字は、先代のご主人の書によるもの! 下/見慣れない真ん中の小さなロッカーは傘入れ。男湯・女湯へ続く扉をガラガラ開けてそれぞれの脱衣所へ)

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(女湯の脱衣所)

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(こちらは、男湯の脱衣所)

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(天井は雲形肘木〔くもがたひじき〕の折上格天井〔おりあげごうてんじょう〕。生で見ると、迫力がすごい!)

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(時計もレトロ感満点)

男女それぞれの脱衣所に続く扉をあけると、そこに広がるのは昭和の世界!入るだけでタイムスリップ気分を味わえます。

脱衣所に入っただけなのに、どこかの映画やアニメの世界にいるんじゃないか…。と言葉を失ってしまったのですが、まだまだ本命の浴室へ潜入できていない!

気持ちを立て直し、いざ浴室へ向かいます。

この湯船、レトロかわいいだけじゃない!

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(男湯・女湯を横断する、大きなペンキ絵。富士山の近くでにんじんに乗って空を飛ぶウサギは小さい子に人気なのだとか)

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(湯船の周りに張り巡らされているタイルには鯉が!)

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(岩から流れるお湯。迫力がすごい)

これぞ銭湯!な富士山のペンキ絵がどーんと出迎える浴室内。
湯船周りのタイルにはレトロかわいい鯉が描かれています。これだけ見るとかわいい♡で終わりそうなのですが…。

帝国湯のこの湯船にあふれるお湯、とにかく熱い!
かわいい外装に包まれながら、ちょっとびっくりしてしまうほどの熱さだと思うのですが、常連のおじいさんやおばあさんは慣れた様子で入っていることにも、またまた圧倒されるライターW。
みなさまの年の功を思い知らされました…。

さて、湯船に入って着替えて終わり…ではないのが帝国湯のすごいところ。
レトロなステキがまだまだ待っていたんです。

贅沢すぎる縁側を楽しむ!

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(男湯縁側。風呂上がり、風にあたりながら縁側でタバコを吹かす…ってもはや映画の世界)

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(こちらも男湯。脱衣所からも縁側が見えます。奥のテーブルでは将棋をさす人もいるそう)

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(これぞ、日本の縁側!)

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(池で元気に泳ぐ鯉たち。癒される)

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(こっちは女湯の縁側。タバコを吹かすレディ…なんて絵になるんだ)

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(咲き乱れるツツジも、遊びに来たメジロも、全部帝国湯で見られるもの。Photo by女将さん。ステキ!)

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(左から、マッサージチェア、ドライヤー、たくさんの漫画、そして私たちの愛するつめたーいドリンクたち!〔女湯〕)

お風呂に入ってハイ終わり!じゃないところも、帝国湯のごほうびポイントのひとつ。
縁側もとにかくすごい!
この植木や花たちは女将さんが考えつつ植えてくれているそう。何十種もの自然が共存する帝国湯は、まさに自然の宝庫。鳥や虫の憩いの場にもなっているんです。
また、女湯の縁側に植えてある木の一つには、大きなうろが。
女将さんによれば、これは東京大空襲の時の焼夷弾の痕だそう。こんな所からも、帝国湯の長い歴史を感じることができます。

帝國湯の「レトロ」な部分に、こんなにステキ!カワイイ!と思うのはどうしてだろう?
ここまで紹介したように、鯉のタイルやペンキ絵、お庭、窓枠など細かいところまで大事に“レトロ”を保っている帝國湯。
どれもこれも、大事に使われていることが一目瞭然です。
こういうところにたくさん触れることで、女将さんはじめ、帝國湯で働く人たちや、帝國湯の常連さんの帝國湯への愛情がわかる!
みなさんの愛情が、帝國湯の「レトロ」をさらに輝かせるんじゃないかなあ、と思ったライターWでした。

「遊びに来る」つもりでいい

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(取材に答えてくださったのは、女将の甚五君枝さん(70)。「写真はいいわよ!」とのことなので、いつも甚五さんが座っている番台の写真をご紹介。どんな女将さんかは、実際に会いに行ってみてね)

帝国湯さんの熱いお湯に浸かり、素敵な縁側を見てリフレッシュしたところで、女将の甚五君枝さんにインタビュー。

―帝国湯さんに入ってすぐ、木でできた立派な内装に驚いてしまいました。天井もすごいですね。

甚五さん:これは宮大工によって作られています。東日本大震災の時も揺らぎませんでしたね。

―いろんな出来事があっただろうに、そのままの形を保つのはすごいですね。

甚五さん:昭和27年に火事があって、今の形になったのは28年のことです。太平洋戦争の頃には東京大空襲にも遭ったんだけれど、それからは逃れました。

―熱いお湯が帝国湯さんの特徴だと思いますが、熱いお湯に入り慣れていない人にアドバイスはありますか?

甚五さん:そうね、50℃くらいの時もあるわね。中には物足りないって言うお客さんもいるのよ。慣れていなければ、とにかくお水をガンガン使って、ちょうどいい具合の温度に変えてくれていいんです。ただ、真ん中の浴槽は埋めすぎると常連さんが困ってしまうので、薬湯の浴槽はお水で埋めてもらうとか。色々な温度が好きなお客様が楽しめる場であって欲しいですね。

―甚五さんが思う、帝国湯のごほうびポイントはどこだと思いますか?

甚五さん:月ですかね。帝国湯の浴室には高い位置に窓があるんですけど、時間によってはそこから月が見えるんです。それを見られると、ああ、ラッキーだなあと思いますよ。

―最後に、若者にメッセージをお願いします。

甚五さん:置いてあるマンガを読みに来るくらいの気持ちでいいです。あまり気張らず、遊びに来るつもりでいらっしゃい、と伝えたいですね。

―構えずに、気楽に入りに行きたいと思います。ありがとうございました!

立派な富士のペンキ絵、素敵な縁側、浴室内のタイルに熱いお湯。

まさに「レトロ銭湯」な帝国湯さんでタイムスリップ気分を味わったライターWでした。
「ごほうび銭湯」の連載は今回をもって一旦終了。
でも、すっかり銭湯にはまってしまったライターWの銭湯探索は、まだまだ続く…。

ここまで取材に協力してくださったみなさま、ナビゲートしてくださったやすこさん、本当にありがとうございました!

ごほうび銭湯その1はこちら!
ごほうび銭湯その2はこちら!

銭湯に行く前に、東京浴場組合が運営するサイト「東京銭湯」で「銭湯の入り方」をチェック!
http://www.1010.or.jp/guide/howto/

【取材協力】
■帝国湯
〒116-0014
東京都荒川区東日暮里3-22-3
TEL 03-3891-4637
JR常磐線/三河島駅より徒歩7分

【ナビゲーター】
■銭湯OLやすこ

お風呂、特に銭湯好きのOL。日々のストレスを溶かすべく会社帰りに都内を中心とした銭湯に通う日々を綴ったブログ「銭湯OL日誌」(http://blog.goo.ne.jp/sentou-yasuko)も大人気。浴場組合のイベントやメディアに出演するなどの活動も。

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