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裸の男女が奇妙な神輿を担ぎ回る!? 伝統の「男神輿」と「女神輿」を観にムサビの芸祭に行ってきた。【ユースなう!Vol.76】

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訳あってビショビショで失礼します、ライターの大越です。僕は今、武蔵野美術大学(通称:ムサビ)の2017年度の芸術祭「ビ×ビット」に来ています。

ところで、あなたは「男神輿」を知っていますか?

「男神輿」とは、芸術祭期間中に担がれる、男根を模した神輿状の造形物のこと。この男神輿は、彫刻家の学生によって制作され、その形状は毎年変化しています。そんな男神輿を、ふんどし一丁の男子学生が担ぎ、大学構内を練り歩くのです。

これに対抗すべく、作られるのが「女神輿」。女性器を模した神輿であり、男神輿と同じく彫刻科の学生が制作します。この女神輿を、サラシを巻いた女子学生が担ぎ回ります。

さらに、最終日にはなんと、「御結合の儀」の演舞があるそう…。今回は、そんな男神輿と女神輿の賑わいと興奮をレポートします!最後には総長インタビューと制作秘話もあるよ!

最高のパフォーマンス日和(台風接近)だあああああ!

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今回訪れたのは、東京都小平市にある、武蔵野美術大学「鷹の台キャンパス」。西武国分寺線鷹の台駅から18分に歩いたところにあります。
そもそも、ムサビの芸術祭は40年の歴史を持ち、美術大学では国内最大規模を誇ります。2017年度のテーマは「ビ×ビット」。ビビッとくる美を探しに行く、ゲームのような世界をイメージしたそう。
そんな芸術祭の最終日にやってきたものの、台風22号接近に伴って天気は大荒れ。次々とイベントが中止になり、お目当ての神輿を心配していると…

神輿は台風になど負けず、予定通りパフォーマンスするよう。それにしても超ハイテンション。さすが、神輿は気合いが違う…。

神輿の時間だあああああ!

いよいよ神輿が始まる時間となり、そわそわしながら待っていると、後方よりなんだか甲高い声が….。

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やせいの おんなみこしが あらわれた!

豪雨の中、ボンタンにスカジャンでキメた女総長を筆頭に、サラシを巻いた集団が女性器を模した神輿を担ぐ、というなんとも非日常な光景。その奇抜な衣装や大きな掛け声に早くも圧倒されます。

今度は、後方より図太い声が…。

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あ! おとこみこしも あらわれた!

降りしきる豪雨と冷え込みに負けず、ふんどし一丁で姿を見せる男たち。背中やお尻など肉体のいたるところに書き込みを入れた集団が、金色に輝く男根を模した神輿を掛け声とともに担ぎます。

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↑中にはクセの強い担ぎ手も。メッセージ性の高さで魅せます。

男は「エンヤコラセ」、女は「武蔵野音頭」

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男神輿はエンヤコラセ、女神輿は武蔵野音頭を歌いながら広場を練り歩きます。それを囲うかのように、浴衣を着た美女が粛々とお神酒をぶっかけ続けます。

それにしてもこの曲、なんとも脳裏にこびりついて離れません。エンヤコラセ〜♪エンヤコラセッ♪

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男神輿のパフォーマンスに応戦すべく、女総長が渾身の叫びを見せます。その声量は雨音に勝るほど。メンバーへの決死の鼓舞が続きます。

御結合の儀だあああああ!

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女神輿が大勢の手によって立ち上がり、男神輿とにらめっこ。それと同時に、男総長が男神輿に跨ります。それにしてもビクともしません。男神輿は硬く、大きく、強いのです。

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↑前総長も御結合の様子を見守ります。

会場中が熱い視線で見守っていると、ついにその時が!
御結合の様子は下の動画からどうぞ!
学祭マニアのえいちさんのツイートを拝借させていただきました!

可動式の男神輿の先端が取れるハプニングがありましたが、総長が頭を突っ込む事でなんとか無事に御結合することができました。会場からは大きな拍手が沸き起こり、今年も男神輿、女神輿は盛況のうちに幕を閉じました。

総長インタビュー

最後に男神輿総長のはっせくんさん(写真上)、女神輿総長の上久保さん(写真下)にインタビューしました。

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ー本日は雨の中、本当にお疲れ様でした!神輿を終えた今の感想を教えてください。

はっせくん:とりあえず、伝統の神輿を全うできてホッとしています。それにしても、最後の最後で男神輿が折れるのは想定外でしたね(笑)。

上久保:ここ3年ほど、御結合が上手くいってないんですよね。でも、今年は男総長が機転を利かせてくれて、今までにない御結合を見れたので満足です(笑)。

—今年の神輿のこだわりを教えてください!

はっせくん:男神輿の今年のテーマはずばり、「ロマン」です。今までは横移動だけだったのですが、どうしても可動式にしたかった。だって、それの方がリアルでしょう?

上久保:女神輿のテーマは「クオリティとリアルさの追求」です。男神輿の迫力に負けないように、クオリティを上げていこうと。また、これまでの女神輿で女性器をここまでダイレクトに表現したのは初めてです。今までで一番、リアルで生々しく作ることができたと思います。

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—こだわり満載の神輿ですが、準備期間を教えてください。

はっせくん:だいたい一年前から来年度の神輿の準備は始まりますね。この時期からすでに次期総長は決まっていて、来年の春から本格的に神輿の準備に取り掛かります。

上久保:女神輿もだいたい同じですね。神輿の制作が始まるのは夏休みくらいから。彫刻科の学生が利用する「鉄工房」という施設で、メンバーで力を合わせて神輿を作ります。

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↑男神輿の制作の様子。可動式の先端部分は内部構造が複雑。

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↑女神輿の制作の様子。写真はパテ打ちをする上久保さん。

—最後に、お二人にとって、神輿の「スキ」なところを教えてください。

はっせくん:実は今回使ったこの神輿は、芸祭の後に取り壊すことになっています。膨大な時間をかけて作る神輿ですが、壊すまでが芸祭の神輿なんです。だから、来年はまた一から神輿を作らなくてはいけないんです。少し寂しいですが、これが神輿の醍醐味であり、僕が思う「スキ」ですね。後輩には35年続く、この伝統を受け継いでいってほしいです。

上久保:女神輿も途切れ途切れですが、10年ほどの伝統があります。昔はお酒を飲んだり、校舎外に出たりして担いでいたらしいけど、今は校舎内のみで行っています。形は変われど、神輿とパフォーマンスは進化しています。そんな神輿を観るために芸祭に足を運んでくれるお客さんの笑顔を見ることが、私の「スキ」ですね。

彫刻科の学生が一年をかけて作り上げる伝統の男神輿と女神輿。確かに批判もあるけれど、楽しんでくれるお客さんがいる限り、全力でやり遂げる。そんな心意気を感じました。
学園祭の中でも一際、個性が光るのが美大の学園祭。アートを学んでいる学生ならではの企画やパフォーマンス、展示などが盛りだくさんの学園祭は、一般大の学生や社会人の方でも楽しめること間違いなしです。あなたもぜひ足を運んでみては?

(追加)
後日、男神輿が反り上がったとの連絡が。男総長はっせくんの念願の夢が叶いました。

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【取材協力】
■男神輿 2017
https://twitter.com/otokomikoshi?lang=ja

■女神輿 2017
https://twitter.com/onnamikoshi2017

■武蔵野美術大学芸術祭2017 公式HP
http://www.geisai.jp/