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人力車でオリンピックを盛り上げる! 田中喬祐の野望とは?【アンビシャスユースVol.3】

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「野望」って、口に出すのは恥ずかしい。けど、口に出すから叶う事もある。3年後に東京オリンピックという特別なイベントを迎えた今、いっちょやってやりたいこと、言ってみようじゃないか!! ということで、野望を秘めた「アンビシャスユース」たちに、そのアンビションを教えてもらいました。みんなはどんな野望を持ってる?

アンビシャスユース第3弾目は、Ascenders株式会社 メンバー/一般社団法人Japan Sports Hub理事の田中喬祐さん
これまでのアンビシャスユースは選手の方々を紹介してきましたが、今回はオリンピックを盛り上げる側にフォーカス!

田中さんはアメリカへの留学で日本文化の重要性を感じたのをきっかけに「おもてなし」として浅草で人力車を始め、リオオリンピックではなんと、会場と会場の間をたった一人で人力車でお客さんを運ぶパフォーマンスを披露!一方で、スポーツベンチャーのAscenders株式会社では、「スポーツの夢の国を創る」というビジョンのもと、スポーツの人材事業からITサービス事業をしています。そんな、東京オリンピックでも注目な彼の野望とは?

—2020年の東京オリンピックに向けて、野望(アンビション)を聞かせてください!

よろこんで! オリンピックの裏方的な立場からのアンビションになりますね。

—実際にオリンピック会場へ行った、田中さんだからこそ語れる生の声を期待しています!

そうですね。読者の方々に、少しでもオリンピックに、スポーツに興味を持ってもらえるように魅力を伝えられればと思います!

<アンビション1>

東京五輪でも人力車で「おもてなし」したい!

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—田中さんはなぜ人力車を引こうと思ったんですか?

これも、アメリカ留学での経験が大きいですね。アメリカ人学生は日本に興味を持ってくれて色々質問してくれるんですが、全く答えられませんでした。自分の国のことをこんなにも知らないことが悔しくて。そこで帰国後、日本文化を改めて勉強し直して、その魅力を伝えるために浅草で人力車を始めたんです。

—リオオリンピックでも人力車を引いたんですよね?

そうですね。ただオリンピックに行くだけじゃもったいなって思って、東京オリンピックのテストも兼ねて人力車をリオに持って行きました。観客をアリーナとアリーナの間の区間で人力車で運んだんですけど、一人だからとても疲れました(笑)。

—たった一人で!? すごいエネルギーですね。そもそも、人力車をリオまで運ぶのって大変じゃないですか?

そこが一番の問題でした。まず、人力車を一台購入するのに200万円、輸送費で50万円ほどかかると。挙げ句の果てには、輸送の手続きをしたとしてもオリンピックに間に合わないリスクもあって。

—そんな経緯が…。最終的にどうやって運んだんですか!?

リオオリンピックまで3週間に迫った頃、「人力」という会社が、けん引式の車椅子を作っているのを知って。これなら、リオまで運べるし、カスタマイズすれば人力車として利用できるだろうと思いました。

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↑リオオリンピックで人力車型車椅子を引く田中さん

—アイデアで不可能を可能にしたと。外国人の方にとって、人力車は初めての経験だったのでは?

そうですね。皆さん興味を持ってくれて、ひっきりなしに声をかけてくださいました。特に印象に残ったのは、車椅子のおばあさん。車椅子だとビーチの砂にハマり、動けず海水にさわれないので、人力車で海まで引っ張っていきました。そうしたら、「こんなの人生で初めてだよ。ありがとう」って言われて。すごく嬉しかったのと同時に、ユニバーサルデザインについても意識するようになりました。

ーおばあさんにとって、最高のおもてなしだったでしょうね。東京オリンピックでも、人力車を引こうと思っているんですか?

もちろんです! 自動運転の自動車が走っている横で、アナログな人力車が走っていたら、外国人もビックリすると思いません?  テクノロジーとアナログのギャップに。聖火ランナーや開会式でもパフォーマンスできたら最高ですね。

<アンビション2>

「スポーツのあるライフスタイル」をつくりたい!

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↑リオオリンピックでの田中さん(写真中央)

—田中さんは日々、スポーツの普及に勤めてますがその原動力ってなんですか?

個人的な野望も、会社での野望も同じなんですけど、「スポーツのあるライフスタイルを創れる文化と環境創り」を目指しています。2020年までに達成するのは難しいと思いますが、普段からスポーツに関わっていなかった多くの人が、ボランティアなどで当事者になったり、興味を持つ機会が生まれることで、一つ大きな転機になるのではないかと思っています。

—壮大なアンビションですね! その野望を抱いたきっかけを教えてくれますか?

大学に入学したものの、高校時代、スポーツ漬けの毎日を送っていたから勉強についていくのが大変で。また同時に、スポーツができていない状況に気づいたんです。そんな中、アメリカに留学することになって、現地の人と接していくうちに「スポーツは遊びで、やりたいときにやればいい」という考え方を学びました。要するに、スポーツをするのが当たり前で、それが遊びなんですね。

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↑アメリカ留学中の田中さん(写真右から2番目)

—アメリカ留学がきっかけと。でも、どうしてアメリカではスポーツをするのが当たり前なんですかね?

スポーツって精神的欲求だと思うんです。スポーツが無くても死なないし、生活に支障をきたすこともないですよね? だけど、「国・宗教・言語・人種・年齢を超えて人と人のつながりが生まれる」のがスポーツ。現代人はそんな風にスポーツを楽しめていないなって。

—なるほど。でも、どうして現代人はスポーツをやりたがらないんですかね?

子供の頃はスポーツを楽しんでいたのに、大人になった途端、きっぱりやめてしまうんですよね。理由としては、身体的疲労であったり、時間的制約ですかね。それに、多くの日本人は、スポーツを体育の延長線上のものとして考えています。体育の授業で生まれた苦手意識を持ったまま、大人になってしまうんですね。でも、人間の限界突破を目指すようなスポーツが全てではありません。スポーツは本来、手軽で、誰でも楽しめて、人と人が繋がれるものなんです。

—確かに「スポーツ」って聞くと抵抗があるかもしれないけど、もっと気楽に楽しんでいいんですね。どうしたら日本はスポーツが当たり前な社会になると思いますか?

少しずつでも、社会自体を変えていくしかないですね。さっきも言ったように日本人は忙しく、スポーツをする時間も心の余裕もないように思います。せっかく、いつでもスポーツができる環境にあるのにです。例えば、ブラジルではオリンピック期間中は仕事が休みになるなど、スポーツを楽しむ制度ができています。スポーツをやりたいときにすぐやれる、そんな社会をITなどを利用して作っていきたいです。

<アンビション3>

オリンピックを現地で観戦してもらいたい!

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—リオオリンピックを現地で観戦してみて、オリンピックに対する価値観は変わりましたか ?

すごく変わりましたね。実際に観戦して感じた、オリンピックの一番の魅力は、世界中の方々が開催地の魅力を生で感じることができることですね。風土だったり、カルチャーだったり、現地の方々の人柄だったり。リオという街の魅力に気付かされました。

—オリンピックはただスポーツをするだけの場ではないんですね。

そうですね。こんなに多くの国や地域の方が一堂に集う機会はオリンピック以外にありません。また、観戦する前に一つ知っておいてほしいのは選手の情報です。

—選手の情報ですか?

はい。スポーツの仕事をしている僕でも、恥ずかしながら会場に行くまで知らない選手が多くいました。目の前でプレーしているのに、日本人選手なのに、知らないんです。

—確かに、メダルを獲ったニュースから選手を知ることが多いかもしれません。

そうなんです。そこで、スポーツ選手の情報が集まるメディア「Ascenders」を始めました。アスリートを種目別だったり、年代別から検索することができます。このサービスを通じて、オリンピックをもっと楽しんでほしいですね。

—アスリートを知ることで、実際にオリンピックに足を運ぶきっかけにもなりそうですね

そうなってほしいと思います。2020年に向けて、東京は着々とオリンピック整備が進んでいます。対して、国民のオリンピックに対する期待度であったり、関心はまだ弱いように思えます。会場でのあの熱気は、テレビ画面越しには決して体感することができません。ぜひ一度、会場まで足を運んで欲しいですね。また、スポーツ観戦をしたいけど、一緒に行く人がいない人のために、スポーツ観戦のマッチングアプリ「tryster(iOS版Android版)」を作ったので、ぜひ利用してみてください。これからも、オリンピックを、スポーツを若手から全力で盛り上げていきます!

スポーツのあるライフスタイルを創れる文化と環境創りを目指し、アスリートの人材教育やITサービスを展開し、さらにはオリンピックで人力車を引く田中さん。彼の「ライフスタイルにスポーツがあるのが当たり前な社会」をつくる野望は、絵空事のように思えるけど、2020を機に社会の流れが変われば、実現できるかもしれません。野望を目標に行動するのって、かっこいい。

田中喬祐

Ascenders株式会社メンバー・田中喬祐(24歳)

アジアのスポーツエコシステムをつくるためスポーツベンチャーAcendersを仲間と立ち上げる。一般社団法人Japan Sports Hub理事。芝浦工業大学工学部卒業。アメリカ留学後、様々なプラットホームを構築。リオ五輪では、人力車で現地で日本文化を発信し、平昌五輪などを通じて2020年へ向け若者からオリンピックムーブメントをつくることを目指す。
Twitter:@kneogf

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インタビュアー・武藤彩華(22歳)

企業と行政と学生とを繋ぎ、未来に『Legacy』を残す団体『Legacy for youth』のメンバー。今回は、2020年を盛り上げようと、インタビュアーとして本企画を担当!
◎Legacy for youth公式Twitter:@Legacy_ForYouth

プロフィール写真
大越彩世(おおこしあやせ)
「スキ」なものはインターネットとカルチャー。ユースタっぽくない記事を書きがち。
書いた記事:#Okoshi/Twitter:@dj_natto