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2・3ヶ国目 レバノンとシリア【日本で世界一周グルメ旅】

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世界一周ってなんかかっこいい! でも、実現できるお金も、そこまでの気力もない。
なんとかならないのか。

ん? もしかして、食なら日本にいても実現できるのは…!?

そんなゆるい動機で始める、日本で世界一周。都内近郊で味わえる世界の、その中でもちょっとマニアックな国や地域のグルメを訪ねて行きます!

今回は歴史ある2ヶ国へ。

今回の行き先は…レバノンとシリア! 世界史の教科書でもおなじみの城壁に囲まれた古都・ダマスカスや多くの美しい遺跡のあるシリア。豊かな自然ときれいなモスクのあるレバノン。どちらも歴史ある魅力的な場所……なのに日本からは乗り継ぎ込みで15~18時間、ビザも必要になるということで、ちょっと行きにくいのです。

しかしなんと…その二ヶ国にすぐ行けてしまうお店がある! 早速向かいます!

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アッサラーム・アライクム!(アラビア語で、こんにちは!)
池袋にある「アラビアレストラン・パルミラ」(https://www.palmyra-ameta.com/)に行ってきました。

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このお店はディナータイムのみの営業です。ここから2階へ上がります。

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シーシャの香りのする、独特の店内。壁は鏡張りで、天井やテーブルにはきれいな照明や切手、置物があり、まるで旅先の気分です。

さてさて、お料理を頂きます!

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サラダ、一品料理、コース、ドリンク、デザートなど、メニューがたくさんあります。そのほとんどが私は今までに見たことのないものばかりなので、わくわくします。

メニューにはアラビア各国のお料理があるとのこと。その中で今回私が選んだのは…

まずはレバノンの定番!

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まずはレバノン料理のフール。ピタパン(薄焼きのパン)と一緒に食べます。フールとはレバノンの朝ご飯の定番でもある、豆のペーストです。豆を玉ねぎとレモン果汁、ゴマのペーストで煮込み、仕上げにオリーブオイルとパセリ、トマトを添えたお料理。
最初はそのまま一口。ほくほくの豆の食感のあとに、その他の具材の酸味を感じます。ゴマのペーストの深みがあって、複雑な味。

そしてピタパン。フールによく合う! 合わせるとかなりボリュームがありますが、とてもおいしいのでついつい食べてしまいます! 野菜と豆というヘルシーさもうれしいです。

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こちらがピタパン。自家製の生地で、注文が入ってからオーブンで焼き上げます。手作りを食べられるお店はなかなかないとのことなので、ぜひお試しください!

続いてシリアからはヨーグルト煮込み料理!?

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こちらはシリア料理のシャクリーヤ。バターライスがセットです。シャクリーヤはラム肉とジャガイモを自家製のヨーグルトで煮込んだ料理で、パセリとニンニクで香り付けをしてあります。このバターライスにはバスマティライスという、現地で食べられるお米が使われています。

ヨーグルトがデザートではなく煮込み料理になるというのが普段の日本ではなかなか見ないので、楽しみです。

まずはスープを一口。さらっとしたスープです。やや強めの酸味がありますが、乳製品ならではのクリーミーさがあり、いいバランス! ニンニクの香りもあり、くせになります。そして、ラム肉を頂きます。ラム肉の香りがこのヨーグルトに合う! とてもおいしいです。

続いて、バターライスと合わせた、おすすめのスタイルも食べてみます。
バターの塩気とシャクリーヤの酸味、香りが食欲をそそる! すっかりはまってしまって、一人分以上は余裕で食べた気がします(笑)。

そしてデザートはレバノン人気メニュー!

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クナファというレバノンのお菓子。作るのにとても手間がかかるそうですが、このお店の人気のメニューの一つです。なんとこれを食べに遠くから来たお客さんもいたそうです。
セモリナ(小麦の一種)をバターやブロッサムウォーターなどと混ぜて焼き上げたケーキのようなもの。上に乗っているのはクリームではなく、ゆばとピスタチオ! 甘い蜜もかけてあります。
クナファはレバノンでは家庭ごとの味があり、ゆばではなくチーズを使うこともあるそう。すでにいい香りがします。

こちらは生地の表面はさっくりしていますが、食べると穀物ならではのプチプチ感。バターと蜜がちょうどいい甘さ! 誰にでも好まれるような優しい味わいです。ケーキにゆばというのは斬新に思えましたが、なめらかな食感とほのかな甘さが生地と好相性! とてもおいしいです。遠くから食べに来るのも納得!

お店のルーツを探る!

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おいしいお料理でお腹がいっぱいになったところで…

なぜ池袋でアラビア料理を出しているのか、このお店の店長であり料理人でもある雨田さんにお話を伺いました。

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カルダモンというスパイスを入れたアラビアンコーヒーと共に…

雨田さんはレバノンの出身で、今は日本国籍を取ったとのこと。このレストランは本業ではなく、現在は貿易関連のお仕事と、大学で国際関係学を教えています。

もともとはあるシリアの人が経営していたお店。しかしその人がお店を続けられなくなってしまい、それではもったいないということでレバノン人の雨田さんが継いだと言います。それまでシリア料理だけでしたが、雨田さんの故郷レバノンや、その周辺の国、ヨルダンやオマーン、モロッコのお料理も出すことに。また、毎金曜日にアラビア地方ならではのベリーダンスを見ながらコース料理を食べるというスタイルも作りました。なかなか見ることのないベリーダンスの機会なので、予約でいっぱいで、外で待つ人も出るほどの人気だそう。

そんなこのお店で雨田さんが大切にするのはホスピタリティ。おいしい手作りのお料理に加え、お客さんとコミュニケーションをとって楽しむことで、ただのレストランではなく、第二の家のような空間にしています。これはアラブの砂漠地帯の文化でもあるそうです。

コミュニケーションと、文化を学ぶ大切さ。

戦争の時代のレバノンで生まれ育った雨田さんは、生きていくため、たくさんの勉強と挑戦をしてきたと言います。その中でも大切なのは、文化を学ぶということ。言語よりもまず、全てを差別することなく、自分で見て、話して、食べてから判断することが大切。それは自分のアイデアや工夫につながると伝えてくれました。

食事の場だけではなく、学び、考える場所としての顔を持つこのお店。雨田さんのお話もとても有意義で取材中少し泣きそうになりました…。新しい発見がたくさんあるので、また行こうと思います!

料理に加え、ホスピタリティも魅力のこのお店! 日本ではちょっとマニアックなイメージの国々を楽しめました。

世界一周をすべく、また次の場所へ行ってきます!

【取材協力】
■アラビアレストラン パルミラ
東京都豊島区池袋2丁目58-8 T.Oビル2F
営業時間:17:00~23:00
定休日:無し
HP:https://www.palmyra-ameta.com/

プロフィール写真
酒井琴音(さかいことね)
「スキ」なものが見つからなくて悩んでいます。マジメに生きがち。
書いた記事:#Sakai/Twitter:@NYS_Sakai