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共通語は英語! 大学生による本格ミュージカル団体とは? 【ユースなう!Vol.99】

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歌って踊って、音楽を楽しみたい。こだわりを詰め込んだセットを作りたい。自分の手でこの空間を照らしたい―。舞台とは誰もが一度は憧れる世界なのではないでしょうか? 最近ではミュージカル映画『ララランド』『グレイテストショーマン』に夢中になった人も多いはず。数あるミュージカル団体の中でも特異性を持つ、「Model Production」を取材しました!

Model Productionとは?

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↑2019年メンバー

今回取材したModel Production(MP)( https://model-production.jimdo.com/)とは、演劇を通して英語を学ぶという理念に基づいてできた大学生を中心としたミュージカル団体。創設者はブロードウェイの舞台経験を持ち、これまでに加瀬亮さんなど有名人も多数輩出。毎年2~5月のみの活動で、100人程が参加しています。注目すべきは、役割に関わらず活動の全てを英語で行う点。技術面も英語面もプロの指導があり、短期間ながらも貴重な経験ができる!

今年は日本では初公演の、 ’The Wind in the Willows’ (邦題は「たのしい川べ」)という劇に挑戦。イギリスの作家による児童文学を基にしたミュージカルで、テムズ川を舞台に動物たちを描いた、本場ブロードウェイでも人気の作品だそう。

今日はそんなMPの練習場所にお邪魔し、メンバーにインタビューをしてきました! (インタビューは日本語で行いました)

自分の感じたことを思い切り表現して楽しむ

Cast(役者) : Wakako Matsumoto

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ライター酒井(以下、S):こんにちは。今日はMPの練習にお邪魔しました! 松本さんは役者なんですね

松本さん(以下、M):はい。これまで演技やダンスの経験がほとんどなかったので、初挑戦です。

S:そうなんですね! MPに入ったきっかけはどんなものでしたか?

M:一昨年に知り合いからMPのことを聞いて、面白そうだな、とは思ったのですが、そのときは勇気がなくて。でも、実際公演を観に行ったらすごく感動して…これはやらないと後悔するなって思って入りました。Jump in! って感じです!

S:なるほど。英語には抵抗はなかったんですか?

M:英語は苦手科目ではなかったけれど、あまり話せなかったです。英語を使って身につけたいという思いはあったので、こうしてみんなで話しているうちに、少しずつ自信が付くようになりました。

S:確かに、英語って日常ではほとんど使わないですよね。MPでは英語のレベルは問われないと聞いていたのですが、それは使って身につけていくからなんですね。

M:はい。英語で歌いながら踊るのも難しいんですけれど、みんなで支え合いながらやっています。

S:そうなんですね。Castのメンバーとはよく話すんですか。

M:Castだけじゃなくて、スタッフや事務、楽団のみんなと仲間として活動しています。みんなで一つの舞台を作る一体感をとても大切にしています。

S:すごい… 松本さんは最初は観客だったと言っていましたが、実際舞台側にいると何か違いというか、変化はありましたか?

M:はい! やっぱりやらないとわかんないことってあるんだなあと思います。セットの作り方や、ステージの過程を知ることで新たに見えるものがあります。

S:なるほど。ちょっとうらやましいです(笑)。最後に、松本さんがCastとして大切にしていることを教えて下さい。

M:考えすぎず、感じたことを思い切り表現すること。このMPでしか作れない舞台だからこそ、みんなで楽しみたいです。

言葉だけでは伝わらないものを、演奏で

Live Musician(Drum/生演奏、ドラム) : Shotaro Ishikawa

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S:Live Musician(LM)と聞いていたものの、本当に生演奏なんですね…。

石川さん(以下、I):はい。僕はドラム担当ですが、他にもキーボードやフルート、ギターの担当がいます。普段は別の場所で練習していて、今日は一緒に合わせられる日なんです。

S:なるほど。MPで演奏していて、他とは違う点はありますか?

I:限られた時間と楽器でどう演奏するか、というところにあると思います。本場ブロードウェイの編成とは違うので、工夫も必要です。さらに英語でのコミュニケーションなので、練習内でも要点をまとめて伝えることも大事だなと思います。

S:歌とダンスに合わせて演奏するのも難しそうですね。

I:はい。キャストが音楽に合わせるのではなく、LMだからこそ僕たちが合わせる。だから、周りに対する気の張り方が大切になる。その時の気分だったりキャストの個性で変わるから、二度と同じものにはならないのが楽しいです。

S:楽器だけのコンサートとはまた違うんですね。

I:はい。まずMPでは一般的なコンサートとは規模や環境が違って面白そうだなと思って挑戦してみたし、実際その通りでした。言葉がわからなくても、音楽だから伝えられるものがあると思います。

技術を学びながら自分の世界を広げたい

Lighting (照明):Kanako Iwai

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S:いきなりですが、照明の醍醐味を教えてください!

岩居さん(以下I):色や強さ、角度でステージの雰囲気や世界観を変えられるところです。もともと大学のサークルの舞台で照明をやっていて、その楽しさにはまりました。

S:照明の動きとかは自分たちで考えるんですか?

I:はい。プランは照明のメンバーで考えるのですが、英語で話すというのが難しかったです。英語だと言いたいことを言えなかったりしたこともあって……でもやっている内にできるようになってきました。せっかくやりたくてやっているなら思いを伝えたい!

S:確かに、表現の仕方を話すのって日本語でも難しいのに、英語でやるなんで難しそうです。その中でも、MPで照明やっててよかったなと思うことはありましたか?

I:みんなで舞台という空間を作る感動って、本当にすごいと思うんです。MPではプロから技術を学べるし、みんなで考えた照明で形にした瞬間は感動しました。

‘True Moment’

Producer : Shion Nakamura

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S:MPの参加は3回目で、今回はプロデューサーをしていると聞きました! まずはどんな役割なんでしょうか?

中村さん(以下N):MPは商業ではないので、プロデューサーはチームのまとめ役にあたります。代表として、外とのやりとりも多くあります。

S:なるほど。これまでチームを見てきて、今年のMPはどんな特徴があると思いますか?

N:今年は、繊細な感性を持っている集団だと思います。たくさんの登場人物や自然を描く今回の演目だからこそだと感じます。

S:毎年メンバーが変わると個性が出て楽しそうですね。MPのいいところはどんなところでしょうか。

N:いい意味で背負うものがないと思うんです。ビジネスではなく、ただやりたくてやっているから、失敗を恐れずまっすぐなところがMPらしさだと思います。心を動かされる瞬間を作りたいという共通の思いがあります。

S:色々な大学の人が集まっているからこそですね。MPといえば英語ですが、その要素もあるのでしょうか。

N:私たちにとっての英語は、頑張らないと話せないもの。考えながら話すものだから、自然と本気のこと言えると思います。思いを伝えるツールとしての英語を使っているのもMPのよさにつながっていると思います。

S:生きた英語を身につけるというのはそういうことなんですね。今回の演目”The Wind in the Willows”について教えてください。

N:動物たちの1年を描く話です。ブロードウェイをそのまま真似するのではなく、日本人の持つ四季の感性で、オリジナルのミュージカルになると思います。TRUE MOMENTを表現できるようにみんなで舞台を作っています。

S:ありがとうございます。本番も観に行くのが楽しみになりました!

これがMP2019の“Wind in the Willow”

キャスト、ミュージシャン、スタッフそれぞれにインタビューした翌週、MPの舞台を観てきました!

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とにかくエネルギーがすごい! メンバーによる手作りの衣装とオリジナルのメイクが舞台に映えます。パワフルに歌って踊って、英語がいまいちわからなくても楽しめます。音楽、照明はもちろん、大道具もこだわりがつまっていて、2時間程度の上映があっという間でした。同じ大学生とは思えないクオリティで、観に行けて本当によかったです。

経験値も所属も関係なく一緒に英語で舞台を作る……そのアツさは学生だからこそ! 本気で一つの作品を作るメンバーたちがとても輝いていて、思わずうらやましくなるほど。そんな憧れの舞台に携わってみたい、何か新しいことをやってみたい大学生! MP2020の募集も今秋から始まるそうなので、サイトをチェックしてみては?

サイト→https://model-production.jimdo.com/about-us/how-to-join-us/

本気で何かに挑戦する姿がまぶしい、すてきな舞台でした。

プロフィール写真
酒井琴音(さかいことね)
「スキ」なものが見つからなくて悩んでいます。マジメに生きがち。
書いた記事:#Sakai/Twitter:@NYS_Sakai