ただオンラインに移行しただけじゃない! 大学生による教育サービス FreEducationとは? 【ユースなう! Vol.111】
2020.07.01
新型肺炎の影響で5月頃まで全ての学校が休校。その自粛期間の中で、教育への目的意識を持ち、行動に移したという大学生が! 小中学生対象ののオンライン教育サービスをする「FreEducation」とは、どんなものでしょうか。ユースタ初(?)のオールオンライン取材で、運営メンバーにインタビュー&見学をしてきました!
宿題は先生から出されるもの、ではなく……?
今回は、コロナの影響もあり、Zoomにて運営リーダーのフランキーさん、メンバーのねるさん(Instagram:@neru590)にFreEducation(以下FE)について聞かせていただきます!
⬆︎フランキーさん(左上)、ねるさん(下)、ライターS(右上)
––––はじめまして。それではよろしくお願いします!
フランキーさん(以下F)、ねるさん(以下N):よろしくお願いします!
––––早速ですが、FEはフランキーさんが発案し、メンバーを集めていったと聞きましたが、具体的にはどんな団体ですか?
F:小中学生向けのオンライン教育サービスです。大学生による個別指導とオンラインスクールの開催が主な活動です。
––––なるほど。フランキーさんがこれを企画したきっかけはどんなものだったんですか?
F:もともと抱いていた教育への問題意識と、コロナの影響で小中学生の学習時間が減るのではないかと考えたことにあります。時間ある大学生ならできることがあると思い、仲間を募りました。
––––そうなんですね。教育に関する問題意識というものはどんなものがありましたか?
F:まずは教育格差です。塾に行くか行かないかで差がついてしまう。あとは、最近の流れである「アクティブラーニング」についてです。
––––確かに、塾は家庭環境に影響されがちですよね。ところで、アクティブラーニングへの問題意識は具体的にはどんなものがありますか?
F:子どもたちにとって「半アクティブラーニング」でとどまっている例です。指導者の誘導で強制的に発言するスタイルでは、根本的な自主性の育成とは言えないのではないかと感じています。
––––なるほど。時間など制約ができてしまう学校では、難しいですよね。では、FEではそのためにどんなことを意識しているのでしょうか?
F:自分たちが実際に見聞きしたことを活かして、双方向の授業にこだわっています。FEで特徴的なのは、宿題を自分で決めてもらうことです。
––––えー! 宿題って先生から指示された経験しかないです。自分で となると、少なく設定してしまうのではないですか?
F:最初はそうでも、目標を達成したという自信から、徐々にレベルを上げていくんです。苦手科目の克服にも取り組んでいく生徒たちも多いです。
––––向上心!!!
ロゴに注目! イラストに表されているものとは…
––––小学生のうちから自己管理ができるようになる、という感覚自体が私にはなかったので、双方向ってすごいなあ……。皆さんが講師として意識していることはありますか?
F:相手目線で考えることです。自分がどうされたらやる気が出るかを考えた時に、褒められたら頑張れるな、とか思い出しながら生徒に向き合います。
––––ああ……10年前、塾の先生に怒鳴られまくった記憶が。勉強しなかった私が悪いのですが、あれはしんどかったです。
F:ですよね。厳しくされたからやる気を出す、とはなかなかならないと思うんです。日々生徒たちと話しながら、自分たちにできる最善の教育の形を考えています。
––––やはり、現場での経験が大切なんですね。FEを通して、他に気付いたことはありますか?
N:はい。私たち年長者が、子どもに対して先入観を持ってしまうことがあったことです。実際に担当している不登校の生徒が、授業を重ねる度に明るくなり、意欲を増しているのを見て、偏見を持ってしまったことを申し訳なく思っています。 これは、時間やカリキュラムなどの制約がなく、しっかり向き合えたからだと思います。
F:そうですね。FEではいい意味で背負うものがないからこそ、生徒の気持ちに寄り添えていると思います。車輪やエンジンは生徒本人。僕たちが目指しているのは、その補助輪になることです。
––––補助輪。なるほど。ロゴ(本記事サムネイルに引用)のイラストはそこから来てるんですね!
N:そうです! あとは、色合いでスマートな学習のイメージ、フォントで親しみやすさを表したつもりです。(ねるさんはロゴなどデザインも担当している)
F:今度酒井さんに見学してもらうオンラインスクールではその様子がよくわかると思います。
F:こんな感じで、自分たちで振り返りを共有する制度もあります。
勉強がスキ、も言える環境へ
––––ところで、どうして「勉強が好き」と子どもが言いにくい環境なんだろう……。いい子振る、みたいなイメージはどうしてもついてしまうと思います。
N:私もそれ考えたことあって気付いたのは、私は勉強苦手だけど、嫌いではなかったな、ということです。それは、知らなかったことを知る楽しさがあったからだと思います。
F:そうですね。FEを通して、大学生が勉強を楽しいという姿を見せることで、小学生も楽しむことにつながっている実感もあります。
N:これからは、5科目以外もできたらいいね、と話しています。
––––おお。つまり、体育とかですか?
F:はい。体育学科の学生も講師になってもらうとかも考えています。
––––それいいなあ。……そしたら、Nが楽器教えることもできますね!
F:勉強というと5教科を指すことが多いと思いますが、僕らはスポーツも音楽も学びだと捉えているからこそ、やっていきたいと思います。
N:学びは無限だって思う瞬間ですね。
F:はい。教育には正解がないからこそです。だからこそ、FreEducationは無料で、自由で、とらわれない姿勢を持ち続けたいです。
––––学校教育を変える! という方向の意志ではないんですね。
F:はい。僕自身、学校が好きだし、得たものも大きいと思っています。FEでは、大人数で時間に制限のある学校では補えない部分をやっていきたいと思っています。一人一人に向き合う時間を持つことや、個性を伸ばすことで力になりたいです。
––––それでは、コロナ後も続けていくんですか。
F:はい。ビジネス化も視野に入れて、ずっと続けるつもりです。学校は、勉強はもちろんクラブ活動などたくさんあるのに加えて最近は英語、プログラミングまでも…と足し算ばかりの状態です。そこで、学校の仕事を少しでも請け負える存在であり続けたいと思っています。
オンラインスクールに登校してみた!
毎週Zoom上で行われるオンラインスクールにお邪魔させてもらいました!
この日は小学生6人と大学生5人で、以下の時間割で進められていました。
大学生には少し早いスタートですが(笑)、小学生たちは元気に参加していました。今日の日直はフランキーさん。会話が止まりがちなオンラインにも関わらず、小学生たちも話しやすい空気作りをしていました。
アイスブレイクではラジオ体操やゲームが行われているとのこと。今回は2チームに分かれて「意外な共通点は?」というテーマでディスカッション。「好きな色は?」「今日何時に起きた?」などの会話が繰り広げられました。ちなみに、小学生たちは5時~6時起きだとのことです。
そしてメインの自学自習ではカメラON音声OFFで、各自が設定した目標達成のために勉強します。チャット画面では「算数教えてください🙇」など生徒が入力し、ブレークアウトルームで個別指導に行けるシステムをとっていました。
このように、自習に集中する環境が整っている!執筆もはかどります! にしても、最近の小学生は勉強にもタブレットを使いこなすんですね…。英語にも力を入れているというジェネレーションギャップを感じながら、黙々と自分から学ぶ姿を見ることができました。
教育という重くなりがちな主題を、終始楽しんで話せた取材でした。大学生だからこその経験や視点、オンラインの強みを活かしたシステムは、画期的ながらも、相手にどこまでも向き合う根幹があると思いました。実際に、生徒の保護者の方々からも「難しい問題にも前向きに取り組めるようになりました」などのコメントが届いているとのこと。
運営メンバー内では、オフラインイベントにも意欲があるとのことで、FEのこれからに目が離せません!
【取材協力】
FreEducation
HP:https://www.freeducation.info/
Twitter:https://twitter.com/freeducation20
Facebook:https://www.facebook.com/FreEducation2020/
