【ユースなう! Vol.15】上京組のネガポジ会議!
2015.10.27
みなさん、地元は好きですか?おそらく、「うん」と首を縦に振った人が続出中なのでは。地元好きゆえか、大人からは「若者は外へ出たがらない」と言われることもしばしば。とはいえ、上京組がいるのも事実。彼らが少数派なのもまた事実。ではそんな上京組は、どんな経緯で東京に?
今回話を聞いたのは、同じ大学、同じ寮、群馬出身、留学を予定、ダンス経験あり・・・と、共通点だらけの、岩瀬さん(18歳)と戸丸さん(19歳)。こんなにも似た環境で過ごす2人ですが、岩瀬さんはネガティブ、戸丸さんはポジティブと、上京に対するスタンスは真逆。そんな2人による上京ネガポジ会議、スタートです!

(写真左から岩瀬さん、戸丸さん)
──2人は群馬から上京してきたとのことですが、上京した理由は?
戸丸(以下T):私は、峠越えて通学しなきゃいけないくらい田舎に住んでて、その不便さがとにかく不満だったから。だから東京は憧れで、受験期は友達と、PALETASとかEggs’n thingsとか、行きたいとこリスト作ってたな~。
岩瀬(以下I):交通の不便さは分かる。でも、僕が上京したのは、単純に行きたい大学が群馬になかったから。だから、もし地元にあればそこに行ってたかな。
T:そうなんだ。私は上京が絶対条件で大学選んでた。
I:逆に僕は地方志向で、東京に夢とかなかったなー。でも夏くらいから受験怖いなっ思いはじめて指定校を考えた結果、上京してた。

(左から岩瀬さん、戸丸さんのもの。それぞれ「悪いほうばっか思いつく」「無限にあるからどう書くか悩む!」と苦しみながら書いてくれました)
──なるほど、戸丸さんは憧れの上京、岩瀬さんは必然の上京、ということですね。実際上京してみて良かったこと、悪かったことは?
T:良かったのは、「チャレンジしやすい」。これに尽きる!とりあえずやってみるタイプだから、バイトとか色々挑戦した。次は昔から芸能界に興味あったから、演技に挑戦してみたい!
I:チャレンジかー、同意できないわ。やることが多すぎて処理しきれないから、やる前に考えて後回しにするタイプだから。あと、「ほしいものがすぐ手に入る」も思わないかも。
T:えー。雑誌で見たブランドが買える、とか驚きだったりしない?
I:うん。まず、欲しいものがないんだよね(笑)。
──欲の差がすごい(笑)。ちなみに月いくら使ってる?
T:私3~4万だなー。
I:2万くらい。美容院とか服とかは帰ったときに済ますから、食費と生活用品だけ。
T:えーー!2万!?生活費以外何も使わず何してるの?
ネガティブは親孝行から
I:高2まではダンスにのめりこんでて全然勉強してなかったから、その反動で今最優先なのは勉強なんだよね。つまんないと思うし、学んでる分野に興味もないけど、しなくちゃマズイなって。留学も、1回日本から出なきゃマズイと思うからする予定。
T:さっきから、語尾にマズイって。何かに追われてるの?(笑)
I:んーとね、最終目標があって・・・。僕の軸は、親孝行なんだよね。ダンスも大学も留学も節約するのも親のため。でも直接会って何かできるわけじゃないから、「親孝行を頻繁にできない」のが上京で悪かったこと。
T:わーー涙出る、その話。私はわがまま娘だったからなー。でも最近は親を支えられるくらいになりたいって思うようになったから、仕送りストップしてもらった。
上京後の変化も“モード”で地元へ
T:私、本当に成長したと思う。春までは、話しかけづらいってよく言われても、自分の性格だからしょうがないって思ってたのね。でも「人生ハッピーなふりしてたら、ほんとにハッピーになる」っていうTEDの演説を見て、それを実行したら本当に人生変わって、色んな人との出会いが舞い込んできた。人って変われるんだなーと。
I:僕は逆に、地元帰ったとき、変わったなって思われたくないから、変わらないように意識してる。
T:え?意識って?
I:家だともっとバカなことする人だから、湘南新宿ライン乗ったらバカなモードに戻すとか。
T:何それ(笑)。でもモードはあるよね。だから今の東京モードじゃ、方言は出せない。
I:たしかに。でも方言も、変わりたくない精神で「あーね」は使い続けてる。東京では「それな」って言えって言われたけど。6月頃に群馬出身の友達が「それな」を使い始めた時は議論になったな~(笑)。

──方言を貫くか否かの議論は、上京あるあるですね(笑)。では最後に、将来したいことを教えてください!
I:僕は群馬に帰って、やっぱ親孝行だな。
T:さすが(笑)。私はまだ分からないけど、東京に定住するつもりも地元に戻るつもりもなく、とりあえず、やりたいことを全部していきたい。リスキーだけど!
上京ネガティブの理由が親孝行だったとは、泣けますね。そして、さすがは現代の若者。家を出たいなんて気持ちはさらさらなく、ネガポジどちらも、かなりの家族思い。上京組といっても案外、地元モードを大切にしたりと、地元志向の上に成り立っているのかも。