布に恋する服飾学生!文化服装学院の卒業ファッションショーを取材!/前編【ユースなう!Vol.107-1】

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花粉でソワソワ、出会いと別れでソワソワするこの季節。今回は「演出を考えることからランウェイを歩くことまで、全て学生だけで行うショーがある」と聞きつけたユースタライター一同総出で、文化服装学院の「2019年ファッション流通科卒業制作ファッションショー」を取材! 学生だけでショーって作ることが出来るの? 果たしてクオリティーはどうなの? まずは前編をどうぞ!

※文化服装学院では新型コロナ感染症の影響より、2月26日以降の卒業イベントを中止しております。今回取材に伺った「2019年ファッション流通科卒業制作ファッションショー」は2月25日に行われたものであり、消毒やマスク着用など新型コロナ感染症対策を行った上で実施されました。

文化服装学院

 

服飾の専門学校の中でも超有名校である、文化服飾学院(通称「文化」)。1923年に日本初の服飾教育の学校として認可されて以降、30万人以上の卒業生を業界に輩出。私たちも知っているコシノジュンコさんもその中の1人! 個性たっぷりの格好で新宿にある広大なキャンパスを闊歩する文化の学生たちには、我々ライターもただただ見惚れてしまうばかり。そんな彼らの集大成と言えるのが……

 

学生だけで作る! 卒業制作ファッションショー(通称「卒ショー」)

 

文化の卒ショーの一番の特徴は、「学生だけでゼロから作る」ということ。ショーで流す映像の製作や照明などの舞台演出、ランウェイを歩くモデルまで、全て文化の学生で担当を割り振ります。学生たちは「それぞれの担当部署で、20分間の卒ショーにどれだけ2年間の成長を詰め込めるか」に挑戦するのです。それにしてもいかにして学生だけでショーづくりを行うのか…。そのカギを握る4つの部署のリーダーを取材!

 

各部署のリーダーを担う学生4名

 


(左から)フィッターパート長・山口琴音さん、運営パート企画長・舘林生実さん、照明パート長・松橋麻穂さん、アクセサリーパート長・コウガイケンさん

前半の記事では、卒ショーのトップリーダーである舘林生実さんのインタビューをお届けします!

––––なぜ企画長に?

「文化のショーはシーンと呼ばれる幾つかの場面で構成されています。2年生に進級するくらいから、シーン長になって自分の世界を作ってみたいという気持ちが強くなったんです。その念願が叶って2年生の文化祭でシーン長になれたので、その時に学べたことを今度は卒ショーのシーン長にフィードバックできればと思い、ショー全体に携わる企画長になりました」。


舘林さんが去年の文化祭でシーン長を担当したステージ

––––卒ショーのテーマである「unkNOWn」(未知のもの)にはどういう思いが込められているんですか?

「私が2年間で感じていたことがテーマの由来です。学生って結構いい身分というか、まだ周りの大人に守られている存在ですよね。でも逆に『まだ学生でしょ?』って言われることもあって。現場に実習に行ったときに、『どんなにすごい才能を持っている人でも学生だから見てもらえない』って感じることがあって悔しかったんです。そんなことを2年間でずっと感じていて…。今は自分たちはまだ無名だし、未知なものだから大変なことあると思うけど、いつか絶対に何者かになってやろうという気持ちを『unkNOWn』というテーマに込めました」。

服飾の学生に限らず「学生だから」と相手にしてもらえないことはやっぱり悔しいですよね。舘林さんの反骨精神が最ッ高にかっこいい!! さて続いてはいよいよ卒ショーレポです! 服飾学生の本気、圧巻です。

 

1シーン【卒ショーの開幕式! “20XX”】

 

野球やフェンシングなどのオリンピック種目のウェアをアレンジし、衣装に。全体を白やシルバーでまとめることで様々な競技のウェアにも統一感を持たせると同時に、近未来チックな世界観を演出。卒ショーの開会式にもピッタリのシーンでした!

 

2シーン【大人が着る子供服 “childish”】

 

コンセプトは大人の子供服。ニコニコ笑顔で堂々とランウェイするモデルたちはまるで芸能人のよう! 色の合わせ方を工夫し、子供服を大人が来ても違和感がないようにアレンジがされていました。雰囲気に合わせた音効や照明の演出で、ステージ全体がまるでおもちゃ箱のような世界観に。

 

3シーン【引き算コーデで上品に。”Gargoyle”】

 

メンズモデルによるゴシックパンクのシーン。すべてに嫌気がさした王子様が反抗しているという裏設定が! モデルから出てくるオーラ、まさに反抗的で釘付け…。ゴシックでありながらも華美になりすぎず、引き算コーデで上品にまとめられています。シーン長が布選びにこだわっており布の動きもとっても綺麗。先ほどのおもちゃ箱の世界観からの展開が劇的すぎる!

 

4シーン【ポップなだけじゃない、尖ったカラフルさを。“Fholic”】

 

2シーンの大人の子供服とはまた違うカラフルさ。ストリートテイストでポップでありながらもトゲのある印象でした。斬新なシルエットに目を引かれますが、アクセサリーなど装飾が多めなので細部の工夫も気になってしまう! 全シーンの中で一番独創的だったかもしれません。アニマル柄が至る所に施されており、これはかなりおしゃれ上級者コーデです…!!

 

5シーン【WEGO×文化! 現代の若者ならではのコンセプト“U2”】

 

コンセプトは「スマホに依存している若者」。ファストファッションをアレンジしたいというシーン長のこだわりで、WEGOの服をリメイクすることに。他にもオープニング映像でイラストレーターとコラボしていたり、モデルの首や腕にスマホがついていたりと観客を惹きつける工夫が至る所にありました。 クールなメイクをしているモデルたちですが、アイドルのような衣装のシルエットの可愛らしさと相まってギャップ萌えです…。

それぞれのシーンの世界観を決めるのは、各シーンに1人という計5名の選ばれし者たちです。たった1人の脳内イメージがシーンになるまでに、もちろん沢山の衝突があったそう。沢山沢山悩みぬいてようやく決まった、モデルの立ち位置や表情、素材の組み合わせ、レースの揺れ具合、照明の調節…。普段ファッションショーに縁のない我々ユースタライターも20分間心を奪われっぱなしでした!! さて、後編はついにショーの裏側に潜入! 日本で最もイケてる服飾学生たちは一体どんな工夫を凝らしていたのか! 乞うご期待!
>>後編はこちら

■取材協力
文化服装学院
HP:https://www.bunka-fc.ac.jp/